18世紀、マルコリーニ期のマイセンのコーヒーセットです。
この作品は、トレイとコーヒーポット、取っ手のない6つのカップのセットの完品で、マイセンがオスマン帝国時代のトルコへの輸出品として作ったものと推測されます。ベースの’サンゴの赤’は発色が難しく、マイセンのグラウンドカラーの中でも希少な色に分類されます。一つ一つ手描きの煉瓦を積み上げたようなグリーンのボーダー模様に5種類の花絵を描いたパネルで装飾。沈殿した粉を漉さずにうわ澄みを少しずつ注ぎ、何回もお変わりするトルココーヒーの飲み方に合わせて、カップはとても小さく作られています。通常、トルコ国内で競売にかけられる歴史的美術品は、国外への持ち出しが厳しく制限されており、海外から購入することはできません。当作品は英国内で入手しました。売り主の話では、イギリスとオスマン帝国が同盟国としてロシアと戦ったクリミア戦争(1853年~1856年)の時に、混乱の中で流出したか、トルコ側からの贈り物としてイギリス軍将校などの手に渡ったものが残ったのではないかとのこと。真偽は不明ですが、来歴の秘密に想像を巡らせるのもまた、アンティークの楽しみの一つですね。
品番 / Ref No.
CN18-OT
状態 / Condition
大きなダメージ、修理箇所等ございません。経年による若干の擦れ, スクラッチ傷などはありますが、経年を考慮すると非常に良い状態です。
年代・裏印 / Backstamp
染付双剣印、マルコリーニ期の*マーク、数字の4 1800年頃
サイズ / Size (cm)
トレイ=約34x26 ポット=高さ約15、カップ=直径約6、高さ約3
価格 / Price
ご売約済み/Sold